自動車保険の対人・対物無制限の落とし穴をお伝えしていきたいと思います。
自動車保険の基本的な補償内容には人に対する対人賠償保険と物に対する対物賠償保険があります。
自動車保険に加入する際にはこれらの項目は金額を選択できるようになっており、一般的にはどちらも無制限に設定しておくのがいいと言われています。
これはその通りなのですが、多くの方が無制限の意味を勘違いしているのが現状です。
この無制限という意味はいくらでも保険金が出るという意味ではなく、賠償責任がある金額に対しては無制限に支払いを行うという意味になります。
対人の際にはあまりもめることはありませんが、対物の際はわりと頻繁にもめごとが起きます。
それが全損扱いとなってしまった事故になります。
全損事故とは車の修理費がその車の時価を上回ってしまったケースで、車の価値が20万円だったのに対して修理費が50万円かかってしまう場合などを言います。
この場合保険会社には車の時価分しか支払い責任がなく、相手には20万円しか支払われないことになります。
対物が無制限だからといっても相手の要求金額が支払われるというわけではないんですね。
あくまでも支払い責任がある金額までの支払いになります。
そのため対物賠償保険にはこのようなトラブルを避けるために対物超過賠償特約というものが用意されていることがほとんどです。
このように対人・対物賠償保険の無制限には賠償責任がある金額までという制限が付いているのをしっかりと覚えておいてください。
そうすれば保険金が支払われないという落とし穴に落ちることもないと思います。